ベトナムと言えば「アオザイ」を着た女性などスレンダーなイメージがあるが、それは今は昔である。
WHOのデータによると、2005年から2015年の10年間でベトナムの肥満率(15歳以上)は3倍以上になり、男性で16%、女性で24%となっている。
そして最近国立栄養研究所が発表した研究では、子供に限って言えば、都市部で42%、農村部で35%が肥満であるということが明らかになった。
この背景として多く説明されるのは以下の3点である。
- 食の欧米化(肉や糖分の摂取量の増加)
- ビタミン摂取量の低下
- 運動の少なさ(移動の多くをバイクで進める)
勿論、これらの理由が直接的な原因ではあるが、もっと重要な事がある。それは以下の2点である。
- 身体が小さい(世界で4番目に平均身長が低い)
- 上記を理由に一度に多く食べられないので、1日に少しずつ何食も食べる
身体が小さいので、時間を置いて少しずつ少しずつ食べるのだ。現地のショッピングモールなどで働いている人を見れば分かるが、暇を見つけては何かを食べている。屋台も多く、少量ずつ何度も食事を摂るのが身体に合っているわけだ。
しかし、前述の食の欧米化により、ファストフードなど高カロリーな食品を取る機会が増えてきた。それでも「食の回数は変わらない」わけである。
同様の傾向はタイなどでも見られ、タイ人も身体は小さく1日に3食以上食べる人が多いが、近年は太っている人が増えてきている。無論、細い人は細いわけだが、二極化しており、今後更に問題となってきそうである。
参考文献:VN Express, “42 percent of urban Vietnamese kids are overweight: study”, 8 Jul 2019