ガスコンロが消えるかもしれない

要約

  • 英国気候変動委員会(CCC) が新築住宅へのガスコンロ設置を禁止するように勧告
  • 2025年までに導入される可能性が高く、オランダでは既に規制が導入されている
  • ガスコンロ市場などに大きな影響を与える可能性がある

ガスコンロの何が問題なのか?(BBC News)

  • 英国気候変動委員会(CCC)が2025年までに新築住宅にガスコンロを設置しないように勧告
  • 英国は1990年の水準から見て2050年までに温室効果ガスの排出を80%削減することを約束
  • ガスコンロの代わりに電磁調理器を利用することを推奨
  • オランダも2018年に新築住宅へのガスコンロの設置規制を導入

解説

石炭よりガスの方が環境に優しいが、次はガスコンロの設置を規制し、電磁調理器に替えていく動きがヨーロッパで進みつつある。

この勧告はガスコンロだけでなく、住宅内の暖房を、ボイラーを使うセントラルヒーティングから、エコキュートなどに使われるヒートポンプへの転換も推奨しており、2050年までにすべての住宅のゼロ・エミッションの必要性を提示している。この2050年の目標はオランダも同じであり、各条約などから考えてもヨーロッパを中心に同じ動きが広がっていく可能性がある。

CCC委員長のバロニス・ブラウン氏は次のように述べている。

(英国にある約3000万軒の住宅が)問題のうち大きな割合を占めています。家庭でのエネルギー利用が温室効果ガス排出の約5分の1であり、その大部分が暖房と給湯の為のガス燃焼なのです。

INDEPENDENT

また、CCCは電気も化石燃料由来のものが多いが、発電も太陽光発電を取り入れると尚良いとも述べている。太陽光発電などと同様、電磁調理器やヒートポンプも短期的な設備投資にはコストがかかるが長期的にはガス代より安くなると考えられている。

新築住宅に限るとは言え、遅くとも6年以内というのはかなり急進的な勧告であり、これが実現すればガスコンロ市場などに大きな影響を与える可能性があるだろう。

参考文献

INDEPENDENT, “Ban gas cookers and central heating to tackle climate change, MPs say”

BBC News, “What’s wrong with gas hobs?”

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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