要約
- 連邦税額控除の削減によってセダンの需要が減少し、対策としてリースを検討
- リースではキャッシュフロー悪化懸念があるので導入は2019年後半とみられる
- 2021年には多くの新型EVが投入されると見込まれ、価格競争に巻き込まれると予想される
モデル3のリースプログラムの報告はテスラ投資家にとって悪いシグナルかもしれません(CNBC)
- モデル3のリースプログラムを準備している可能性は投資家にとって悪い兆候
- 2019年からテスラ車に対する連邦税額控除の段階的な削減が始まっておりセダンの需要に悪影響を与えている
- これまでテスラは車両単価の引き下げで需要減少に対応してきた
- キャッシュフローの悪化懸念から、導入はすぐではなく年後半になると見込まれる
- ハイエンドモデルのリース自体は一般的で、低価格・リースでEV競争に巻き込まれると考えられる
解説
2月19日にテスラが従業員に送った電子メールにリースオプションの検討についての内容が含まれており、それをelectrekが報じた事についてのCNBCの分析である。
メールでは「2週間以内」と書かれているが、テスラの広報担当者は、
This is simply an internal document to ensure teams are prepared for when we eventually introduce a leasing option to customers(これは単に、最終的に顧客にリースオプションを導入する際にチームが準備できるようにするための内部文書です。)
と2週間以内というのを否定しており、CNBCは「少なくとも2週間より後だろう」という見方をしている。
実際、イーロンマスク氏は第4四半期決算発表で「2019年後半までプログラムの開始を遅らせるかもしれない」と語っており、その理由は記事の通りキャッシュフロー悪化を回避するためである。
これまでは税額控除によって需要が支えられてきたが、それも段階的に無くなっていき、需要が少なくなってきた。しかも、2021年には多くのメーカーが新型モデルを市場に投入する計画が立っており、今後テスラは資金繰り悪化を気にしながら、低価格化とリース導入による価格競争に巻き込まれていくことになるだろう。
参考文献
electrek, “Tesla is preparing to offer Model 3 leasing to boost demand”
CNBC, “Report of a Model 3 leasing program could be a bad sign for Tesla investors”