システム開発プロセスとしての「アジャイル」とは何だろうか。『アジャイルサムライ』とかを読んだら何となく知った気になれるだろうし、実際に開発を経験していなくても種々の解説でプロダクトバックログだとかプランニングポーカーだとかエクストリームプログラミングだとかキーワードを知ることができる。
しかし、「本来の」アジャイルはそういう決まりきった開発プロセスではなかったはずだ。というのが「アジャイル2」(Agile 2)の主張である。
アジャイル2という概念は非常に新しいし、検索してもダイレクトに出てこないし、まだまだマイナーである。概念を提唱しているウェブサイトを探すのも大変なので、以下にリンクを張っておこう。
Agile 2 : THE NEXT ITERATION OF AGILE
リンク先には様々な考え方が書かれており、そのテキストも膨大なので、筆者もその全てを理解できているわけではないが、大雑把に見て次の2つが重要である。
- ビジネスの成功
- リーダーシップの重要性
システムやソフトウェアを完成させたら終わりではない。それを利用するビジネスの成功に繋がってこそのアジャイルである。迅速(Agile)に柔軟に開発していくことで、早い産業構造の変化や顧客のニーズに対応できてこそ意味がある。経営者が現場を知ることが重要視されるように、開発者がビジネスを知ることも同様に重要という意味もある。
だから、「毎朝10分のミーティング」といった固定的なタスクでスケジュールをガチガチに固めてしまうのは良くない。たった10分でも議論することが無いのであればしても時間の無駄だし、慎重に検討すべきことがあるなら、10分では足りない。杓子定規に当てはめて「アジャイルのプロセスに沿って〇〇をしなければならない」とやってしまうと、何の為のアジャイルかが分からない。
そして、もう一つ重要なのがリーダーシップである。オリジナルのアジャイルでは「メンバーは対応な関係」が重視され、リーダーシップが非常に軽視された、というのがアジャイル2の主張である。誰かが何でもかんでも決めてしまうチームも良くないのは確かだが、誰も先導する人がいなければ、それはそれで上手くいきにくい。
だからアジャイル2では、リーダーは「個々人がどの程度自由を上手く扱うことができるか」を適正に評価して、上手く力を引き出すことが重要と述べられている。
アジャイル2についての膨大な概念については、ウェブサイトで読むのが一番手っ取り早いが、本も出版されているようである。