経済成長著しいベトナムは新興航空会社が急増している。航空業界についてのニュースメディアSimple Flyingは、何故ベトナムには多くの航空会社スタートアップがあるのかについての論考を公開している。
参考:Simple Flying, “Why Does Vietnam Have So Many Start Up Airlines?”, 7 Dec 2020
まず、新型コロナウイルスが拡大する以前は、ベトナムの航空市場は過去5年間で20%もの成長を遂げていた。特に国内線の収益性は高く、ハノイーホーチミン間は世界で4番目に混雑する路線となっている。現時点でベトナムの航空市場の75%をベトナム航空とベトジェットエアが占めているが、急増する需要を補う上で多くの航空会社が誕生している。
代表的なものを列挙すれば、Vietravelやバンブー・エアウェイズ、Kite Air(現地ではCanh Dieu Airlines)などがある。この内、2019年に就航したバンブー・エアウェイズは2020年から日本への片道就航も始まり、米国への直行便の承認を得るなど成長著しい。
しかし、多くの航空会社スタートアップが就航を開始できていない or ライセンスを得られていないのが現状である。
Vietravelはパンデミック前にライセンスを得たものの、新型コロナウイルスの影響で飛行許可を取得できていない状況である。Kite Airは2020年第2四半期までに就航予定だったが、政府の承認を得られておらず、2022年まで就航できない可能性が指摘されている。
現在、ベトナム当局は2022年まで新しい航空会社の創設を禁止しており、名前の挙がっていないスタートアップを含めれば、その数は更に多いことが分かる。それだけ航空スタートアップが溢れかえっているが、その多くはパンデミック終息を待ち望んで足踏みしている状態である。