バンブー航空が早ければ2020年1月に上場予定

アジアのLCC(格安航空会社)と言えば、最も有名なのはエアアジア、最近はインドで急成長するIndiGoなどが最大手だが、後発のLCCも続々と出てきている。

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ベトナムではベトジェットエアなどLCCの成長が著しい。エアアジアの進出が遅れていることが理由だが、ベトナム航空系のジェットスター・パシフィックなどLCCの競争が激化している。

ベトジェットは昨年から今年にかけて関空-ホーチミン、羽田-ダナン、成田-ハノイなどの就航やそれに伴う0VNDキャンペーンや100円セールで日本でも少しずつ知られるようになってきているが、バンブー航空はあまり知られていない。

ベトナムのバンブー航空(Bamboo Airlines)は、2008年設立の不動産会社FLCグループの子会社である。バンブー航空自体は2017年に設立され、2019年1月に就航されたばかりだ。今の所は国内線が中心で、最初の国際線が茨城とのチャーター便だが、他に定期運航便としてシンガポールや台湾、韓国などの定期運航便も増やしている。2019年は37-40の定期運航便が就航される見通しである。日本の定期運航便も就航する予定だ。

そんなバンブー航空は早ければ2020年1月にホーチミン証券取引所<HOSE>かハノイ証券取引所<HNX>に上場する方針を示している。IPOで1億ドルを資金調達するのが目標で、公開価格は1株当たり50,000~60,000VND(2.16~2.59USD)と見積もられている。

2019年10月に新しく5機体を納入し、来年には現在の25機体から30機体に保有数が増やす予定である。また、2020年にはベトナムと米国を直行便で結ぶ初の航空会社になるという目標も表明しており、今後急拡大する上での資金調達と見られる。

懸念点としては、長距離のLCCはなかなか難しいのが現状であることだ。エアアジアは過去にフランスとの長距離便を運行していたが撤退し、その後欧州再進出を目指したが2017年に断念、そしてまた欧州再進出を検討しているようである。

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LCCのビジネスモデルは、

  • 座席を狭くすることで客席数を増やす一方でチケット価格を下げる
  • 余分なサービスの排除によるコスト低下
  • 食事や酒なども有料化することで載せる荷物を減らすことによる重量の削減(燃費向上)
  • ハブ空港を経由した停泊期間の短い連続的な運行

である。最後が肝で、エアアジアなどであれば、客を降ろしたらすぐに次の便(復路ともかぎらない)を飛ばすことも少なくなく、無駄なく多くの便を飛ばしている。

長距離便であると、どうしてもレガシーキャリアと同様の運行スタイルになる上、長距離だとLCC特有の「狭い座席」を回避する客も多いからだ。筆者の感覚でも日本からLCCに乗るなら、東南アジアなど5~6時間が限界である。米国とベトナムの直行便は成功すれば大きなビジネスになるが、リスクも高いと思える。

逆に良い点としては「定時運航率」が高いことである。ベトナム航空局(CAAV)によると、2019年1~9月において最も定時運航率が高かったのがバンブー航空である。それぞれの数値を見ると、

  1. バンブー航空(93.9%)
  2. ベトナムエアサービス(93.1%)
  3. ベトナム航空(88.4%)
  4. ベトジェットエア(82.8%)
  5. ジェットスター・パシフィック(80.1%)

である。(ベトジョー)

但し、時期については話半分の方が良いだろう。フィリピンのジョリビーのように毎年「2年後に日本での上場を目指す」と言っている企業もある。このあたりについては日本市場とは感覚が違うことを考慮した方が良い。

参考文献[1]:Vietnam+, “Bamboo Airways to launch IPO next year”, 14 Oct 2019

参考文献[2]:日本経済新聞「ベトナム第3のLCC、バンブー航空就航」2019年1月16日

参考文献[3]:ベトジョー「バンブー航空、ベトナム~韓国間の定期運航を開始―10月17日から」2019年9月27日

参考文献[4]:ベトジョー「国内航空会社定時運航率、1-9月期もバンブー航空がトップ―遅延最多はジェットパシ」2019年10月9日

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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