先日9月2日、インドネシアの工業団地Modern Halal Valley(モダン・ハラール・バレー)は、同国のBPJPH(ハラール製品保証組織団体)からハラール認証を受け、インドネシア初のハラール工業団地となった。Modern Industrial Estate (MIE)などが4つのイスラム銀行と協力してできたモダン・チカンデ工業地区(MCIE)の一部である。
モダン・ハラール・バレー(バンテン:ジャカルタの西)は、4つのゾーンで構成されるハラール・クラスター・ネットワークの1つであり、2019年4月に合意されている。他の3つは、イスカンダル・ハラール・パーク(マレーシア)、ペナン・インターナショナル・ハラール・ハブ(マレーシア)、クラスター・ハラール・コルドバ(スペイン)である。
ハラールは食品や金融、化粧品など個別商品やサービスに関してはある程度認知されつつあるが、ハラール工業団地という言葉は聞き慣れない人が多いだろう。マレーシアやパキスタンなどイスラム教徒が多い国を中心に前例は幾つか存在する。日本でも2016年にマレーシアのハラール認証機関JAKIMが常駐するJAPANハラールパークの設立に向けた合意がされている。(続報は知らない。)
モダン・ハラール・バレーがどのようなものかを整理すれば、
- ハラール製品を扱う企業のみ入居可能
- ハラール製品に対応可能な物流・貯蔵施設
- ハラール認証を受けた水処理
- ハラール認証機関の常駐
- 中小企業サポートプログラム
といったものがある。ハラール製品を扱う企業のみが入居できるのは当然で、ハラール認証機関が常駐するのは多くのハラール工業団地と共通する。水や物流に関してもハラール製品に対応できるようにしているのがポイントだろう。ジャカルタに近く、工業団地として物流面でも優れた場所にある。
モダン・ハラール・バレーは、今後も4つのゾーン間で相乗効果を得られるように、ハラール認証や調達、市場アクセス、プロモーション、研究開発などで協力していくようだ。