今年のメッカ巡礼はサウジアラビア在住者に限定

サウジ通信社によると、サウジアラビア政府は今年のメッカ巡礼(ハッジ)について、国籍を問わず王国在住者のみについて限られた人数のみ巡礼を可能にするという声明を発表した。

先日、サウジアラビアがメッカ巡礼の中止を検討という報道がされたばかりであり、大方の予想通り外国からの巡礼は中止となったが、国内在住者については一転して可能になるとのことだ。

“Limited Number of Pilgrims”(限られた数の巡礼者)がどれくらいの数になるかは声明からは不明だが、社会的距離を維持可能な範囲で感染対策を施した上で実施される見通しである。

この決定の理由について声明では、外国からの巡礼者の安全を維持するためと書かれている。これは、メッカへの大巡礼(ハッジ)が中止される可能性は低いが有り得るでも指摘したように、ハッジの条件の中に(1)心身ともに健康であること(旅を遂行する体力があること)、(2)流行病が発生している場所に行ってはならない、という考え方があるという事と整合的である。

在住者については限定的に実施するというのは、未だ感染が終息していないサウジアラビアであるが、経済活動は順次再開しており、その一環と思われる。何にせよ、サウジアラビアの貴重な「外貨獲得源」についての情報は確定したと言えよう。

参考文献:Saudi Press Agency, “Ministry of Hajj and Umrah: Hajj 1441H Is Decided to Take Place This Year with Limited Number of Pilgrims from All Nationalities Residing in Saudi Arabia”, 22 Jun 2020

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