NFLのサンフランシスコ・フォーティナイナーズ(49ers)は、2020年のシーズンチケット所有者はスタジアムで好きなだけ飲食ができるという新しいシステムを発表した。
シーズンチケット価格は平均で20ドル(13%)上昇するが、シーズンチケットの所有者は、チキンテンダーやホットドッグなど主力製品15以上に加え、ペプシなどソフトドリンク4種類を無制限で飲食できるようになる。
通常、スポーツ観戦においては場内での割高な飲食物を収益源として重視するというビジネスモデルが標準となっているが、そう考えれば49ersの新しいシーズンチケット方式は非常に新しい取り組みであると言える。
シーズンチケットは古典的なサブスクリプションシステムであるが、スポーツでも様々なサブスクリプションが増えていることから考えれば、更なるアップデートと言えるかもしれない。
49ersは現在のリーバイス・スタジアムに移転してから6年が経つが、その間の顧客調査などにより、
- 外食サービスがファンの満足度に大きな影響を与える
- シーズンチケット所有者は特に飲食物を購入する傾向がある
といった事実などから、人気メニューを無制限に飲食できるというシステムを導入するに至った。酒類を除けば、対象商品で売上の67%を占めるという。
一方でSports Illustratedは、2つの重要な指摘を行っている。それは、
- 店舗での待ち行列が増えることに対する懸念
- 無制限の飲食物を含まない通常のシーズンチケットを販売しない点
である。
前者は、シーズンチケット所有者が多くの飲食物を求めて並ぶので、それを店舗がどう捌くかといった問題である。これに関して同紙は、シーズンチケット所有者については別のレーンを作成するといった方式を取るだろうと予測している。これに関してスタジアムでの飲食を専門に手掛けるレビー・レストランは、ライン制御やモバイルなどのテクノロジーを活かし、連携を取りながら対処していく方針を示している。
後者については、それだけ飲食物を購入するシーズンチケット所有者が多いからではないかと思われる。それ以前に、平均20ドルの差で無制限の飲食物が含まれるのであれば、通常のシーズンチケットを選択する人はあまりいないようにも思える。
参考文献[1]:49ers, “49ers Introduce Member Inclusive Menu for 2020 Season”, 21 Oct 2019