反ワクチンなど非科学的なデマを流す人に対抗する方法

非科学的なデマを流したり宣伝したりする人はとにかくうるさい。反ワクチン、放射能、水素水など政治的理由であるか商売的な理由であるかは別だが、非科学的な情報を流す人は多い。フェイクニュースもこの類だろう。最近なら血液クレンジングだろうか。

デマを流すコストは低い一方で、科学的に反論することには時間がかかるので、こうしたデマを抑えるのは難しいという実態がある。専門家を中心に、もっと反論が重要だとする意見も多いが、これに関してシドニー大学のジュリー・リースク教授は、反論の仕方に注意を促している。

リースク教授は、「ワクチン懐疑論者と議論する4つの方法」として、

  1. 議論の場にいかない(Don’t go there)
  2. 意見の違いを認める(Agree to disagree)
  3. ワクチン接種を公言して実行する(Affirm vaccination and move on)
  4. 耳を傾け、肯定し、推薦する(Listen, affirm and recommend)

を挙げている。

ワクチン接種を拒否する人は世界的に問題となっており、宗教的な理由だけでなくポピュリズムや疑似科学への傾倒など様々な理由が原因となっており、根強い問題である。

関連記事:ポピュリズムと宗教で拒否されるワクチン接種

2は「家族や友人に反ワクチン論者がいたとしても、意見の違いということでまとめる(agree to disagree)」ことである。友人や家族関係で議論したところで相手の意見が変わることは殆ど無く、関係が崩れかねないだけなので議論しないことの重要性である。

3は自身が親となった場合は、保護者コミュニティなどでは率先して子供に受けさせることを公言することである。4は、2とは逆に友人や家族でワクチン接種に迷っている人がいたら、親身に話を聞いてあげて接種を進めるということである。

最初の1の意見が面白い。これはFacebook限定での話ではあるが、反ワクチンに限らず、様々な疑似科学・非科学的な主張に対する対抗として役立つと思われる。

Facebookではエンゲージメントが高い投稿を優先するアルゴリズムを持つため、無闇に反応してやり取りを続けると、逆に投稿が多くの人に目立つことになるという主張だ。反応すれば反応するほど相手の思う壺ということである。

特に、周囲への影響力が少ない泡沫アカウントに反応しても、相手の発言の露出が増えるだけで、相手の意見が変わることも殆ど無いので、殆どメリットが無い。

拡散力が高いアカウントからの発言の場合、どうしても無視できない場合は科学的事実に基づいた短く丁寧な反論を心がけ、相手が重要な人物でない場合は無視する方が良いと推奨している。

参考文献:The Conversation, “4 ways to talk with vaccine skeptics”, 21 Oct 2019

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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