タイのバンコクでの旅行先として有名なカオサンロードであるが、昨年から変革が続いている。
「バックパッカーの聖地」と言われるが、今や有名になりすぎて単なる有名観光地の一つになっている。その結果、
- 割高なゲストハウスやホテル(ゲストハウスなのにホテル並みの料金も)
- 衛生(食品安全・ゴミ)
- 騒音
- 周辺の交通渋滞
- 道路の老朽化
など様々な問題がある。
そのうち、衛生や騒音、交通などについては昨年2018年8月から「昼間の屋台営業の禁止」が実施されている。炎天下での屋台営業は食中毒を起こしやすく、また道路上での屋台営業も交通を阻害するので、そうした問題を解消するために実施された。
結果的に昼間の観光客が少なくなり、カオサンのホテル相場も低下したようである。バンコクポストによると、2019年始めはシングルルームの平均宿泊料は2,000バーツだったのに対し、8月頭で1,500-1,600バーツに下がっているようだ。
そして更にバンコク首都管理局(BMA)は、「国際的に有名なバックパッカー通り」から「国際的に有名なウォーキングストリート」に変えるため、400mほどの通りを4,880万バーツ(約1.7億円)かけて改修するようである。
住民や観光客と屋台営業者の双方の利害を考慮し、歩道を拡幅するとともに、屋台営業者のためのスペースも確保するなど、今回のプロジェクトは全ての利害関係者が賛同しているという。
屋台に関しては「道路の専有」も問題だが、海賊版ビジネスなどの問題もあり、屋台営業スペースでの営業許可を与え、ライセンスは1-2年ごとに更新するという形で違法なビジネスを規制する方向になるようである。
工事は10月から来年2月まで行われ、その間も観光ができるように通行も宿泊も可能であるという。
工事の間、一時的には観光客が減ると見られているが、全般的な「クリーン」が実現すればイメージの刷新にもなり、観光客がかえってくるのではないかと思われる。
参考文献:Bangkok Post, “Cleaning up Khao San”, 4 Aug 2019