最近もイーロン・マスク氏のツイッターが世間を騒がせている。
テスラは以前から資金繰りが常に逼迫していると言われ続けているし、生産体制がまだ確立されていないとも言われている。
テスラの未来に希望はあるのかどうか、果たして本当のところはどうなのだろうか?
今回は、テスラの決算内容から展望を推測してみる。
テスラの注目すべきポイント
テスラの今後のシナリオを予測する上で注目したいのは財務キャッシュフローの動きである。
実は2018年度12月期のテスラの決算発表を見てみると、とある兆候が確認できる。
その兆候というのは2018年度の財務キャッシュフローの増加額が極端に減少しているが、それと同時に投資キャッシュフローの減少(簡単に言えば設備投資の増加)の幅が小さくなっていることである。
ここからは2通りの捉え方が可能である。
- 生産体制の構築の目途がついてきている。
- 単純に資金調達が厳しくなっている。
もちろん、1の場合は良い兆候であるが、2の場合は危機的状況であることを示す。
以下でそれぞれのケースを見ていこう。
1.テスラの未来が希望である点 :生産体制の構築の目途がついてきている
損益計算書を見てみると、2018年度は売上は前年度比1.8倍、一昨年度比で3倍と大幅増収を達成しており、売上がこのままのペースで伸びていけば、営業利益の黒字化まであと一歩のところまで来ている。
推測通り、設備投資が整い生産体制の構築に目途が付いているのであれば、今後は利益を生み出すサイクルに入る。
営業キャッシュフローもプラスに転じており、上手くいけば近い将来にはフリーキャッシュフローもプラスに転じるであろう。
この観点で考えると確実に成長し拡大していると捉えることができ、大変魅力的な企業であることが分かる。
2.テスラの未来が絶望である点 : 単純に資金調達が厳しくなっている
ただし前述した様に、生産体制が確立されておらず未だ十分な生産能力がないとの意見もある。
そう考えることもでき、生産体制が確立する前に資金調達が厳しくなってしまったという見方もできる。
貸借対照表を合わせて見てもらえると明らかだが、借入負担は非常に大きい為、今後は資金繰り難に陥ることが予想される。
まとめ
今回、テスラが直面している現状を財務キャッシュフローの動きから推測した。
テスラは大きな飛躍可能性があると共に、非常に厳しい局面にある可能性も否定できない。
マスク氏のツイッターの言動も右往左往していることから、ひょっとすれば後者の可能性の方が高いかもしれない。
しかしながら、マスク氏の事業はテスラを含め非常に夢があるものが多い。
テスラの行く末に希望があることを祈るのみである。