ダナンはベトナム第三の都市と言われるが、GDPのわずか1.55%にとどまる。最低賃金の地域区分でも、ダナンは上から二番目の地域2にとどまり、ハノイやホーチミンほど所得も高くない。
しかし27,000もの企業が存在し、85億ドルもの投資が集まっている有望な都市でもある。
2019年3月1日、ダナン市人民委員会の総会が開かれ、委員長のチュオン・クオン・ギア氏は観光・サービス・不動産など主要産業に力を入れ、港湾・物流・ハイテク産業を革新させていくことを延べた。
ダナンと言えば日本では専らリゾート地として知られているが、中部の中核都市として外国企業も多く投資している。
昨年、筆者はダナンを訪れたが、建設中の建物が非常に多く、10年ほど前のバンコクを思わせるような開発ラッシュであった。
但し、ダナンはハノイやホーチミンとは違い、綺麗なリゾート地としての性格もあるせいか、かなり計画的に都市開発が進められており、雑然とした印象は少ない。トランプ大統領が本来は米朝首脳会談をハノイでやりたかったのも、この計画的かつ急進的に成長する都市を見せたかったのだと思われる。
総会では日本についても数多く言及された。
- 5年前は日本への直行便が無かったが、現在は週に14もの直行便がある
- 日本はベトナムの公務員・企業の就労ビザを緩和
- ダナンでは127の日本企業が進出し、人的資源の交流についても政府間で協力
- 2020年にダナン市に日本領事館を作る計画がある
127という数字だけでなく、筆者の印象としても日本からの進出はまだまだ少ない。ハノイやホーチミンにはコンビニのようなB to C企業の進出も目立つが、ダナンはそうではなく、現時点では米中韓の企業の進出が多い。
ベトナム駐箚特命全権大使である梅田邦夫氏は、日本の動きについえ、観光と投資の観点だけでなく、戦略的観点からもダナンが重要であることが、領事館建設の計画に繋がっていると延べている。
また、宇宙航空部品の世界的なサプライヤーであるユニバーサル・アロイ・コーポレーション(Universal Alloy Corporation)はダナンに製造拠点を設立しており、ハイテクパークの開発も進んでいる。
筆者としては、ダナンはベトナムでも今後最も成長率が高い地域だと考えており、今後も動向を定期的に捉えていくつもりだ。
参考文献
Vietnam net, “Huge investment to touch down in Da Nang”
Vietnam+, “Da Nang city pushing ahead with investment attraction”