2020年も成長したスクーク(イスラム債券)市場

2020年の世界スクーク発行額は新記録を樹立-Refinitiv(GCC Business NEWS)

  • グローバルデータプロバイダーRefinitivは、2020年に全世界で発行されたスクーク(イスラム債券)の合計額が1691億ドルを記録し、2019年の1721億ドルを超えたと発表
  • 新型コロナウイルスに伴う経済政策の為にGCC諸国の発行額が増えたのが主要因(GCC諸国の発行額は1,057億ドル)
  • サウジアラビアは2020年に227億ドル(前年比25%増)の発行
  • 多くの調達は第三四半期までに終了し、第四四半期に失速
  • 2021年はカタール封鎖の終了、エジプトのソブリンスクーク法、インドネシアのスクーク発行増額計画などで更に成長が期待できる

補足

新型コロナウイルスに伴うパンデミックで多くの国で財政出動が増えたのと同様に、GCC諸国でもイスラム金融における債券であるスクークの発行が増加した。GCC諸国が発行したスクーク1,057億ドルの内、412億ドルはソブリン債である。

また、Refinitivは2021年の見通しも良好としている。記事の通り、2020年11月に制定されたソブリンスクーク法により2021年初頭に2つのスクーク発行が予定されている。インドネシアは2021年のスクーク発行額を250億ドル以上に増やす計画を発表しており、実現すれば同国のソブリン債の30%以上を占めることになる。

参考文献

GCC Business NEWS, “Global Sukuk issuance created a new record in 2020; Refinitiv”, 21 Jan 2021

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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