若者はAIに興味は無い

ここ数年、仕事で20代前半くらいの若い世代と多く関わる事が多い。サンプルとして300人ほど溜まってきたので、いずれ何らかの論考か論文にまとめる予定だが、その仮説としては表題の通り「若者はAIに興味は無い」というものだ。

興味があることについて話してもらうと、(AIとは言えないものも含めて)メディアでも多数取り上げられているだけあって、確かにAI(人工知能)を挙げる確率が非常に高い。しかし、よくよく話を聞いていると、

  • AIにできることには限界がある(だから自分の仕事は最後まで残る)
  • AIに仕事を奪われないようなスキルを身に着けなければならない

といった話に展開する事が大半なのである。

前者は自身の立場を合理化する考えであるのと、後者はより危機感を持った考えという違いはあるが、どちらにしてもAIは驚異であるという見方である。

筆者としては余計な仕事は可能な限り無くなってくれた方が楽だという考え方であるが、多くの若者にとってはそうではないようである。

よくよく考えれば、ある時代では自動車や機械であったり、海外企業であったりするだけで、今のAIブームも結局は「自分の仕事が無くなるか否か」というだけ、悪く言えば半径5m以内でしか物事を考えていない。

バズワードとしての人工知能ブームは、恐らくそのうち発生する米国のリセッション入りと共に終わり、本格的に発展するのはその後だと考えている。心配しなくとも、日本の複雑な雇用慣行と無駄な仕事の多さから考えれば、当面の間はAIが仕事を奪ってしまうという可能性は低いだろう。(但し、その仕事が生産的であり儲かり続けるとは言っていない。)

あとは、ディープラーニングをとてつもなく凄いものだと考えている人が多い印象がある。これはマスコミのせいでもあるが、ニューラルネットワークから見れば古い技術であり、単に細かな相関を見ているに過ぎない。

マシンパワーの増大によって実用性が生まれたのが比較的最近というだけの話であり、基本的には力任せである。(様々なモデルの開発は進んでいるが、それも「巧くいくまで繰り返す」という側面も強い。)

ましてや、シンギュラリティで言われるような人間を超えた人工知能が更に優れた人工知能を生み出していくような世界が実現したとして、その人工知能はディープラーニングの延長であるとは思えない。

人間の思考はもっと複雑であり、量子的な要素が多分に含まれる。そういう意味では量子コンピュータが実現し、それが普及し、それを背景にして生まれた人工知能でなければシンギュラリティのような状況は起こらないのではないかと考えている。(それがいつかは知らない。)

筆者が冷静に考えられるのは、機械学習の仕組みが分かっているからである。そういう意味で、多くの人が基本的な仕組みは学ぶべきだと考えている。幸い、今はテキストなり動画なり基本を安価または無料で学習できる教材は多数存在するのだ

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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