ポスト安倍氏に誰を置くかで自民党内でも揉めているようだ。長期政権の後で、これから本格的な景気後退とあって「首相をやりたくない」というのが本音だろうが、誰かを据えなくてはならない。
以下で引用されている産経新聞の図から言えば、菅氏と岸田氏が有力で、あとは河野氏もネットでは人気だ。麻生氏は自らは出馬しない（前回ので嫌になった？）ようだ。そして世論調査では専ら石破氏が人気である。
多くの世論調査で「次の首相に相応しい人は？」と聞けば3割前後が石破茂と回答が出るようだが、残念ながらこれは全体での世論調査の結果であり、実際に総裁選で勝てる可能性は低いと思う。
世論調査で石破氏が人気なのは「今の自民党政治路線には不満があるが受け皿となる政党や政治家がいない」というところから来ていると思われる。上の図でも石破氏はことごとく「距離を置かれている」のが面白いが、実際政治的にはそれくらい隔たりがある。筆者も到底支持はできない。
しかし、自民党に石破氏がいるのは結果的に自民党政権の安定化には資すると考えている。今の自民党になんとなく不満を抱えている有権者にとっては、消極的ながら自民党を支持する要因になるからだ。古典的に右か左かと言えば、石破氏が「左の方」の支持を集めることに成功しているわけである。
だから石破氏は今後も今のポジションで頑張ってほしい。地方票は取れるだろうから、総裁選でも決選投票までは行ける可能性がある。もちろん、決選投票まで行けば距離を置かれている石破氏は票を取れない可能性が高いのだが、独立路線である程度目立つのは自民党にとって良いことである。
