スローバライゼーションにおける潜在的な勝者

スローバライゼーション(slowbalization)はモルガン・スタンレーがよく使う表現で、slowing globalization(グローバリゼーションの減速)を意味する。

要するに貿易戦争の激化によって世界的な商取引に大きな悪影響を与えている事を指しているわけだが、その事によって逆にポジティブな影響を与える企業があるという。

モルガン・スタンレーのエクイティ・アナリストJames E. Faucette氏によると、ビザ、マスターカード、ペイパルなどを「全国チャンピオン」として名前を挙げている。

これらが良いとされる背景には、

  • 国内要因へのエクスポージャー
  • 金融システムと徴税における重要性
  • 複利成長効果

が加味されており、「長期的な電子化と複利による効率化へのシフトによって決済部門は継続的な受益者になる」という見方を示している。

オンライン決済へのシフトが世界的に進む中、多くの国は決済システムを銀行システムの論理的な拡張とみなしており、徴税や経済データ収集など国家における不可欠な業務活動の推進が国益になる。

徴税システムや銀行システムにおいても世界的な資金の流れの把握が重要であり、国際的な連携が重要である。そんな中、ビザやマスターカードは既に世界的なネットワークを持っており、各国の連携において利用される際の選択肢になる可能性があるとも指摘されている。

実際、5月のS&P 500は0.4%下落したのに対し、ペイパル株は4%増、ビザは6%増、マスターカードは8.5%増だった。

Faucette氏はまた、スローバライゼーションの潜在的な勝者としてアリババのような中国のIT株や、米国のYelpといった「ローカル色が強いIT銘柄」を挙げている。

参考文献:CNBC, “These stocks may be winners as the globalization trend reverses”, 9 Jun 2019

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

HAL の記事一覧