インドのNifty 50は、新興国の中で2018年にプラスのリターンを示した数少ない株価指数の一つで、2019年に入ってからも好調で、3月は特に高いパフォーマンスを示した。4月に選挙を控えているが、来年に向けてゴールドマン・サックスは強気な見方を示す。
ゴールドマン・サックスはインド株を「買い」評価(CNBC)
- レポートでインドのNifty 50が2020年は12,500(現在水準から8.85%高)に達すると予想
- マクロ経済指標の改善、上場企業の収益の好調が理由
- 個別ではインドステイト銀行やICICI銀行などの金融株、アショック・レイランドなどの自動車株を推奨
- 過去6回の選挙サイクルで、投資家のセンチメントは投票前に概ね改善し、その後3~4ヶ月で収まる傾向
- 選挙運動による積極的な財政政策の呼びかけ、政治的不確実性の減少が背景
解説
選挙自体は4月12日から始まり、未だ政権交替の可能性は残るものの、現時点ではインドでの投票行動の特異性などからモディ首相率いる与党インド人民党有利の方向で進んでおり、そのためかマーケットは楽観的な状態が続いている。
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インドは経済成長率が高く、先進国経済が景気後退すれば、相対的に新興国のパフォーマンスも上がるので、中長期的に強気な見方をするのは何も不自然ではないが、ここで着目したいのは、選挙前後のアノマリーである。
今回も過去の選挙サイクルと同様に、選挙前にセンチメントが改善している。アノマリーではその後3~4ヶ月で収まる傾向があるようだ。今インド株に参入するのは時期が悪いかもしれないが、総選挙の結果が確定し利益確定売りなどで調整が行われた時などが良いタイミングかもしれない。
参考文献
CNBC, “Goldman Sachs has a ‘buy’ rating on these stocks in India”