勉強しかできないなら長期投資を

デイトレードは疲れる。それは目まぐるしく変わるチャートの中で、様々な指標やニュース、イナゴを寄せ付ける投資家ツイッターアカウント、掲示板まで複数のディスプレイを同時的に見ながら、状況に応じて判断しなければならないからだ。優れた相場師は必要以上にトレードしないと言うが、これは取引コストだけの問題ではなく、そもそも長時間集中してトレードするのが体力的に困難だからだ。

ここ最近、プログラミング言語と読解力からはじまり、読解力と短期記憶、そして長期・短期記憶と仕事の能力と連想ゲーム的に記事を投稿してきたが、いずれも投資にはあまり関係が無かった。この辺りは筆者の研究分野と関連するので、半ば思考を整理する上で書いたという目的もあるが、当サイトの趣旨としては、長期記憶と短期記憶と投資の関係が着目したい点である。

仕事に求められる「同時並行的な判断能力」や「複数の解からの選択」というのは、当然投資でも必要であり、デイトレードでは特にシビアに判断することが求められる。勿論、利確ラインや損切りライン、狙うべき銘柄など事前に慎重に決めておくべき事項は多く存在するが、いざトレードが始まってしまえば、冷静かつ迅速な状況判断が求められる。

デイトレードも経験によって鍛えることができ、事前準備によって精度を高めることができる。しかし、どうしても巧くいかない投資家はやはり存在する。それなら寧ろ長期投資に特化すべきである。長期投資は結果が出るまでの時間が長い。それこそ受験勉強にかける時間よりも長いことも珍しいことではない。

焦らずに、じっくりと企業や業界の現状と将来、経済動向から人口動態まで広く深く徹底的に調べれば良い。これは寧ろ勉強が得意な人が向いている。仕事における状況判断が難しいという人でも、勉強なら得意という人は少なくないだろう。そういう人は長期投資なら向いているかもしれない。

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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