Googleトレンドで見る「差し押さえ」と「借り換え」

筆者はGoogleトレンドを使って長期的な傾向を探すことをよく行う。先日、米国におけるauction(競売)とforeclosure(差し押さえ)の検索トレンドを見たが、foreclosureをもう少し掘り下げてみると、長期的に見ても有用な検索ワードである可能性が示唆される。

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以下はforeclosure(差し押さえ)、bankruptcy(破産)、default(債務不履行)、short sale(ショートセール)、loan modification(ローン契約の変更)について、米国での2004~2010年以降の検索トレンドを示している。

かなり早期にbankruptcyの検索件数が増えているのは特徴的だが、これをもってbankruptcyが有効とは言い難い。特定企業の破産などに影響されることも多い。やはり、経済的なトレンドと相関しつつ、傾向を先取りできるようなものが良い。図には示していないが、insolvency(倒産)も似たトレンドを描いている。

その意味では、short saleやloan modificationは遅く、defaultかforeclosureということになる。但し、defaultも海外情勢など他の要因を受けやすく、2011年以降で見ればノイズも多い。foreclosureの検索トレンドが上がり始めた時に注意するのが良いかもしれない。

もう一つ興味深いのは、以下のrefinancing(借り換え)についての過去5年間の検索トレンドだ。これも季節変動があるのが特徴的だが、ここ1年に関しては明確に増加傾向にあるように見える。

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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