ベトナムのスマートシティ開発の主導権を握るダナン

AIやIoTなどの先端技術などを駆使し、交通網やエネルギー効率の問題などを解決するためのコンセプトとして定着しつつあるスマートシティだが、ベトナムにおいてはダナンがその推進の主導権を握っている。

ダナンはスマートシティビルディングで主導権を握る(Vietnam net)

  • ベトナム政府は、GGGI(Global Green Growth Institute)の支援を受け、スマートシティをグリーン成長戦略の最優先課題とする
  • ダナンは2012年以来、米IBMと連携してスマートシティの構築のための調査と開発を推進
  • 交通、環境、ヘルスケアなど様々な分野のインフラやソフトウェアに投資
  • 2030年までにダナンをASEANのスマートアーバンネットワークと同期して機能させることが目標
  • ダナンのスマートシティプロジェクトは、6つの柱と16の優先分野を持ち、2030年までに3つのフェーズに分けて行われる
  • 12の州機関の53もの主要プログラムを指定し、9,300万ドルの資本投下(うち30%が市の予算)を行う予定

補足

ダナンの経済開発に勢いがあり、その成長速度が著しいことは過去にも見たが、まだまだ未開発という点では、確かにスマートシティ構築には有利であると思われる。というのも、既に開発が進んでいる都市でスマートシティに移行するには膨大なコストがかかるからである。

ベトナムのスマートシティ開発で先導を取るのがハノイでもホーチミンでもなく、第三の都市であるダナンが選ばれたのも、計画的に開発されている都市であり、かつ発展途上であることが大きな理由であると思われる。

具体的には、交通の分野では運行監視装置を備えたバス管理システム、環境なら水環境の監視・早期警告システムなどが導入されている。教育では市内の学校の管理ソフトウェアを統合するための共有データベースの構築、ヘルスケアでは病棟レベルでの医療ソフトウェア、地区レベルの病院管理ソフトウェア、電子カルテなどレイヤーに併せた電子化も進んでいる。

教育や医療など規模が大きくなりすぎたことによって電子化へのシフトが遅れている日本などと比べて、ベトナムはこうした面でもまだまだなので、どんどん新しい技術を導入できるのが強みである。

一方で2030年までにスマートアーバンエリアへの仲間入り(2045年までに完全なスマートシティ化)を目標とする割に、投下資本が9,300万ドルというのは桁が足りない印象がある。環境や電力効率などよりも、どんどん新しいビルや道路、鉄道などを建設する方が資金も集めやすいし、経済効果も目に見えやすいので致し方無い点はあるものの、それにしても御題目の割に中途半端であろう。

参考文献

Vietnam net, “Danang taking the lead in smart city building”, May 1, 2019

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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