要約
- オンラインカジノでは身分証明など入会障壁を改善するカジノが増えている
- 5G時代のモバイル環境に対応するためのVRを利用したライブカジノ環境
- 2019年はビットコイン決済に対応するカジノが15%から倍増すると予想
どうやってプレーヤーの意見をカジノビジネスモデルに取り入れているか(Business Matters)
- マネーロンダリング対策から現金を引き出すための身分証明などの手続きが煩雑
- rustlyを使ったアカウント無しのオンラインカジノLucky Casinoが欧州で人気
- デポジットボーナス、フリースピンなどの用語や仕組みも複雑
- ボーナスを少なくする代わりに掛け金要件を削除するオンラインカジノも登場
オンラインギャンブル技術を根本から改良する(Newsmax)
- モバイルユーザーの増加に合わせたモバイルギャンブル環境の提供の必要性
- ハッキングや盗難の問題に対応する必要性(SSL、顔認証、二段階認証)
- 5Gの高速性を活かしたVRを利用したライブ体験
- 仮想通貨とブロックチェーン技術の利用
解説
以前に既存のカジノの縮小傾向に対してオンラインカジノの伸びがある事に触れたが、その成長著しいオンラインカジノでも新たな顧客獲得のためにビジネスモデルが変わりつつある。
ギャンブルはマネーロンダリングの温床となるので本人確認が厳しい。一方でそういった手続きが煩雑となれば新規顧客獲得の障壁となる。その一つの対策がTrustlyと連携したアカウント不要のカジノだ。
Trustlyは2008年にスウェーデンで誕生した「銀行口座と連携した電子決済ソリューション」を提供する企業だ。PayPalがクレジットカードと連携した電子決済ソリューションだが、それの銀行口座版だと考えれば良い。Trustlyは欧州29ヶ国で展開し顧客も6,700万人にまで成長している。
このTrustlyを介して入出金させる事で(銀行側とTrustlyが本人確認をしているので)オンラインカジノ自体は本人確認が不要になり、カジノ用のアカウントが要らないというわけだ。
また、デポジットボーナスやフリースピンといった仕組みが複雑なのも加入障壁となり、またトラブルも多い。デポジットボーナスだと、例えば「100ドル入金すれば100ドルのボーナス」と書いていても、ボーナスの100ドルは別のボーナスアカウントに入り、最終的に一定額以上プレーしないと資金を引き出せない、またはボーナスが入金額との比で書いていても上限額があるなど複雑な仕組みが多い。(PokerStrategy,com)
こうした問題を是正するために、大金で釣るような初回ボーナスを辞める代わりに、上記の「一定額以上プレーしないと資金を引き出せない」という掛け金要件を削除するといった敷居を低くするようなカジノも登場している。
また、オンライン環境もデスクトップからモバイルに移項する過程で、モバイルでも楽しみやすいプレー環境を作る事が求められている。その一つがVRを使ったライブ環境で、より本物に近い環境を実現するだけでなく、他のプレーヤーとのコミュニケーションも想定されているようだ。
仮想通貨(暗号通貨)決済が最も普及しているのがオンラインカジノと言っても過言ではなく、オンラインカジノの15%がBitcoinを受け入れており、2019年には2倍以上になると予想されている。
海外にはカジノ関連の上場企業なども多いので、SlofiAではこうした情報を今後も整理していく。
参考文献
PokerStrategy.com, “What is a First Deposit Bonus?”
Buisiness Matters, “How casino business models adapt to player feedback”
Newsmax, “Online Gambling Technology to Radically Improve”