新型コロナウイルスで多くの産業が大打撃を受けているが、その中でベトナムの億万長者の大半は自国の不動産に投資を続けているようである。
ベトナムの億万長者の90%が不動産に投資(Vietnam+)
- ベトナムで100万ドル以上の資産保有者12,327人のうち90%が不動産に投資
- 1.3億ドル以上の資産を持つ100人は99.1%が不動産に投資
- 従来外国投資家のFDIが牽引してきたベトナムの不動産セクターだが、パンデミックでベトナムでの調査ができなくなり、代わりに国内投資家による投資が増えている
- GDPの8割を占める主要15セクターの内、不動産は新型コロナウイルスの影響が最も少ないものの一つ
- 政府の公共投資の推進も相まって不動産市場の回復は早い
- 外国人がベトナムで不動産を購入しやすい制度も増えており長年に渡って年平均5~7%の成長を続けている
補足
チャイナ・プラス・ワンに代表されるが、ベトナムに進出したい外国企業は多く、最近は特にその傾向が強まっている。今までは外国直接投資(FDI)に乗っかるというのがベトナムにおける不動産セクターの特徴だったが、今は渡航制限などで外国人がベトナムに行って投資先を調査するなどということが難しい状況になっている。
だから資産家にとっては外国人投資家が戻ってくるのを待っている時間が勿体ないというのが上記事の本質である。いずれ経済が正常化すれば外国企業が再び多く進出してくるが、それまでに国内不動産市場に投資しておくというのが狙いである。
また、他のセクターに比べてインフラなど不動産関連は公共投資が積極的であり、ベトナムにおいても安定性は高い。ベトナム国内で投資するなら不動産という状況になっているわけだ。
参考文献
Vietnam+, “90 percent of Vietnamese millionaires invest in real estate”, 4 Sep 2020