ジョーンズラングラサール(JLL)は毎年、”JLL City Momentum Index”で「世界で最もダイナミックな20都市」(The World’s Top 20 Most Dynamic Cities)を発表している。これは、世界130都市について、GDP、不動産販売、20-40歳人口、投資、不動産市場の透明性、航空旅客、家賃などからダイナミックに変化を遂げる都市を数値化したものである。2020年版で7回目となり、全体を俯瞰することで「中国の時代からインドの時代へ」「広域化」といった特徴が見えてくる。
以下が上位20都市である。このうち1位のハイデラバードと2位のバンガロールなどインドが7都市ランクインしており、次いで中国が5都市ランクインしている。中国では新型コロナウイルスで問題となっている武漢(Wuhan)も13位に入っている。
単年だけ見るとインドと中国の独擅場に見えるが、過去7年の推移を見ると、その勢力の移り変わりに特徴がある。以下がそれを示した表であるが、全体的にインド(赤色)が順位に占めるようになってきており、中国(青色)の順位が(トップ20とは言え)低下傾向にあるということだ。また、ベトナム(ホーチミンとハノイ)も安定してランクインしている。フィリピンのマニラも常連化しつつある。
また、2020年は上位20位に占める国が多様化しているのが特徴だ。アジアだけでなく中東・アフリカ・北米と拡がっている。特に米国がこの調査でランクインするのは初めてであり、多くのエマージング・マーケットの中でランクインしているのだから、いかに投資が集まっているかが分かる。シリコンバレーはおなじみだが、当サイトでも注目している今最もスタートアップで活気がある街テキサスからオースティンがランクインしているのも興味深い。