給料・仕事のやりがい・職場の人間関係のいずれもが満たされていないと仕事を続けるのが難しくなるとはよく言う。
どれを重視するのか、あるいはどれを妥協するかは人によっては異なるだろう。しかし、富裕層などをターゲットとした英国の損害保険会社ヒスコックス(HISCOX)<LSE: HSX>が、英国の労働者を対象に行った調査によれば、職場の人間関係は想像以上に重要であることが分かる。
まず、経験的に多くの会社員が分かると思うが、日常生活において同僚と過ごす時間が必然的に長くなる。以下は、「最も長い時間一緒に過ごすのは誰か」というタイトルだが、実際に聞かれているのは「週に31時間以上一緒に過ごすのは誰か(複数回答)」である。
これによると、最も長い時間を共にするのが同僚(Colleagues)の44.4%であり、恋人(Romantic partner)の43.8%をわずかに上回る。家族(Family)と回答したのは僅か26.2%であり、友人(Friends)となると3.4%である。
但し、営業やマーケティングの専門家といった職種になれば、57%が同僚と1週間に31時間以上過ごすと回答した一方で、33%は全く同僚と過ごす時間が無いと回答している。セクターによって仕事の柔軟性が異なるので、単純に職種だけでは分からない部分もあるということだろう。
次が「今まで築いた仕事以上の関係」についての回答結果である。日本は社内の関係が煩わしく、欧米ではドライな関係と言われることが多いが、以下の結果を見れば、想像以上に同僚と深い関係になっていることが分かる。
まず、最も多いのが恋人(Romantic partner)である。職場恋愛は意外に多いと聞くが、これは英国でも変わりはない。次いで、旅行仲間(Travel companion)、ジム・ランニング仲間(Gym/Running buddy)とくる。この辺りまでは特段驚くべきことではない。
意外に多いのがHouse mate(同居人)、花嫁・花婿の介添人(Bridesmaid/Groomsman/Best man)である。
以下、ビジネスパートナー(Business Partner)、名付け親(God parent)、バンド仲間(Band mate)である。深い関係も多く並んでいることが分かる。
また、職場に友人がいることについての効用は、仕事を満足度を向上させるだけでなく、自由にアイデアを共有したり、チームの協力関係が向上するなど、いずれも調査対象者の90%以上が肯定的に捉えている。