インドネシアはEUのRED Ⅱ(再生可能エネルギー司令Ⅱ)におけるパーム油への圧力に対し、マレーシアと共にWTOへの法的措置を検討している。
RED Ⅱの背景にはILUC(間接的土地利用変化)という概念があり、2021年1月から適用が始まり、2030年までに気候変動リスクが高く、食料の入手可能性に影響を与えるバイオ燃料が禁止される。
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しかし、EUの全てがインドネシアのパーム油産業に強硬な姿勢であるわけではない。先日9月26日にニューヨークで、インドネシアとオランダの間で持続可能なパーム油管理の能力開発協力についての覚書が結ばれた。
インドネシア外務省のゥク・ファイザシャ報道官は、ジャカルタでオランダのマーク・ルッテ手法と公開討論に出席した後に、「インドネシアから輸入されるパーム油製品が持続可能な資源からもたらされることをオランダは目指している」と述べた。
つまり、インドネシアのパーム油産業をそのまま支援するという意味ではなく、EUの枠組みでも認められるような持続可能な産業として開発していくことを連携して進めていくという意味である。
現状としてはEUにおけるパーム油の立ち位置は非常に厳しいものであり、インドネシアは「パーム油製品への差別との闘い」と位置づけているが、その中で協力国が現れた事は一つの成果と言って良いだろう。
参考文献:AntaraNews, “Netherlands expected to tackle discrimination against RI’s palm oil”, 8 Sep 2019