デング熱が東南アジアを中心に猛威を奮っていることについては当サイトでも5月に取り上げた。
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2014年にデング熱が流行した際も殺虫剤銘柄などが上昇したが、今回のデング熱の広がりは日本にはきていないので、海外はともかく日本ではそれほど影響は見られない。
東南アジアでは流行が収まる気配は見られず、先日もマレーシアでは1~7月まででデング熱の感染者数が前年同期比89.5%増の72,356件だったことが報じられた。
筆者としては、海外におけるデング熱の流行は「これから」だと考えている。その鍵は「インド」である。
最近になって、英語圏でも「デング熱」(dengue cases)の検索数が急上昇している。これは英語での検索数を示しており、シンガポールなど英語もよく使われる国や、フィリピンやマレーシアなど英語が公用語として使われている国での検索数が多い。
しかし、これらの国は以前からデング熱が流行しており、7月になっての急激な増加とは一致しない。例えば、タイにおける「デング熱」(トピック検索)は、それ以前の6月から急上昇している。
無論、世界的な検索数とタイなどでの検索数での乖離を、投資における「(世間が注目し始めたら)ブームの終わり」と解釈する向きも無い。しかし、検索トレンドをよく見ると、最近の急上昇の要因が以下のように”dengue cases in delhi 2018″(2018年のデリーにおけるデング熱の症例数)であることが分かるのだ。
冒頭にもあげた過去記事「再び東南アジアで猛威を奮うデング熱」に掲載している図にも示しているが、南アジアであるインドは、これからが雨季であり、デング熱の症例もこれからピークを迎える。
患者数としてみれば、インドで流行した場合の方が遥かに莫大なものになる可能性があるだろう。