4月21日におきたスリランカでの爆破テロの影響で、スリランカ政府はインドからの観光客が5~10%減少する可能性を示している。
当初スリランカでは、インドなど11ヶ国が渡航自粛要請を緩和したことで、インドからの観光客が25%増加することを見込んでいた。テロが起こるまではインドからの観光ビザを免除する計画もあったほどで、それだけ期待が高かった。
その矢先のテロであり、先日も非常事態宣言を1ヶ月延長するなど、その影響は今後も続くと見られている。
昨年のスリランカへの海外旅行者は230万人で、そのうち隣国インドが最も旅行者が多く、42万人を占めている。
一方でスリランカ観光省は25日、スリランカ航空やスリランカホテル協会、インバウンド事業者などと連携して、インド人観光客を増やす為の5つのパッケージを発表し、テコ入れ策を始めている。
パッケージには航空運賃やホテル、交通機関などに渡り、予算ごとに30〜60%の割引が適用される。
筆者としては旅行客の減少よりも、寧ろ「不動産市場への影響」の方が心配である。(テロで旅行者が減るのに何の驚きも無い。)
ここ数年、スリランカでは不動産市場のバブル化が指摘されるほど活況で、日本でも怪しいセミナーを含めて沢山のスリランカ不動産投資が活発であった。(不動産投資が活発なのは、スリランカの制度上、不動産以外は投資しにくいという背景がある。)
まだスリランカ不動産市場のバブル崩壊やその余波が出てきたという報告はあまり聞かないが、今後影響が出てくるのではないかと考えている。
参考文献
The Economic Times, “Sri Lanka sees 5-10% drop in Indian tourist arrivals this year”, 24 Jun 2019
The Hindu, “Sri Lanka introduces new tour packages to boost tourism”, 25 Jun 2019