シカゴを拠点に置く大手不動産コンサルティング会社クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド<NYSE:CQK>のアジア部門が、先日東南アジアのデータセンターの成長について取り上げたレポートを発表した。
参考:Cushman & Wakefield, “Data Centers in Southeast Asia”(PDF注意)
この中にCushman & Wakefield Data Center Competitive Index(クシュマン・アンド・ウェイクフィールド・データセンター競争力インデックス)のアジア太平洋地域のランキングが示されていた。
順位は以下の通りである。
- シンガポール
- 香港
- 韓国
- マレーシア
- オーストラリア
- 中国
- タイ
- 日本
- ベトナム
- インド
- インドネシア
東南アジアではシンガポールがずば抜けており、以下のデータセンターのラックスペース(HDDなどを収めるラックの容積)を比べても一目瞭然だ。(単位は平方フィート)
東南アジアで上位のシンガポールとマレーシアは、先日紹介したグローバル・サイバーセキュリティ・インデックス(GCI)でも、シンガポールが世界6位、マレーシアが世界8位とアジアトップである。
特にシンガポールは、アリババのアジア太平洋地域最大のAlibaba Cloudがあり、他にもAWSやMicrosoft Azure、Oracle Cloud、Google Cloudなど大手IT企業の当該地域における重要なデータセンター拠点となっている。
東南アジアで成長著しいベトナムとインドネシアのデータセンターとしての競争力は現時点では低い。しかし、下図の通り、東南アジアのデータセンターの年平均成長率(CAGR)を見ると、ベトナム・ハノイは14.5%、インドネシア・ジャカルタは21.8%と急速に成長している。
この理由について、まずインドネシアでは、eコマース、モバイルバンキング、モバイルインターネットの成長が著しい。人口が豊富な経済成長も著しい同国において、データセンター需要は非常に大きい。
ベトナムで着目されているのは、その長い海岸線である。南北に細長く、その殆どが海に接していることで、海底ケーブルを接続できる場所が非常に多く、データの到達速度や初期投資コストなどにおいて非常に有望であることが書かれている。