#検察庁法改正案に抗議します の反響が大きくなった本質的な理由

ツイッター上でハッシュタグ「#検察庁法改正案に反対します」を付けて、著名人が反対の声を挙げており世論も追随する形で大きな反響となっている。

反対理由としては検察官の定年延長に掛かる法案の審議を、この新型コロナによる緊急事態宣言下で進めたことへの反発が大きいように思われる。

正直なところ、私自身は定年延長自体に特段の問題を感じていない。

むしろ、今後年金問題による社会的な定年延長の流れを踏まえてのものだろうし、定年延長対象は検察官だけではなく国家公務員全体を対象としている(ここを勘違いしている人も多いはず)。

そもそも、民間は定年延長の流れなのに国家公務員は延長されなければある意味不公平ではある。

その他の条文を見ても特段、明確に国民にとって不利益になっている部分はない。

特に一部の主張で三権分立を侵害しているという発言があるがこれは間違いであり、問題となっている検察庁の管轄は元々内閣なのである。

定年延長についても、三権分立にしても、これらの論点が世間で騒ぎ立てられているがいまいちズレている気がしてならない。

一方で、「この新型コロナで緊急事態宣言下で審議する問題か?」という主張もある。

どちらかといえば、世論的な批判はこちらが発端のようだ。

現状政府における対応は、二転三転し明確ではなく、国民に不安感を与えてしまったことは否めない(その中で大阪府では自粛解除基準を独自に設定し、それが明確であることから支持を得ていることからも伺える)。

特に世界的に発生した緊急事態としては、日本自体は太平洋戦争以後に長らく経験していないこともあり、その中で国民の不安感は非常に大きいものとなっている。

つまり、この問題は「検察庁法改正」どうこうではなく、新型コロナ対策における政府批判がかつてなく高まっているのではないかと筆者は考える。

このままだと、今後政権のあらゆる動きに対して「非難」されるようになり非常に動きにくくなることが予想される。

安倍政権にとってはここが本当の正念場であり、早急に評価を取り戻すべく打って出る必要があるのは間違いないだろう。

About YOUKI

SlofiAでは金融・財務分析関係を専門に執筆。元銀行出身。現在は上場企業の経理を担当。

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