Big Cの店舗展開戦略から見るタイ経済の成熟

タイの財閥セントラル・グループ傘下の小売企業Big C Supercenter(通称Big C)は、2020年の投資戦略を発表し、国内向けと国外向けでの違いを明らかにした。

Big Cは2020年の店舗展開に65億バーツ(約233億円)の予算を充て、うち60億バーツ(約215億円)が国内向け、5億バーツ(約18億円)が海外向けである。

国内での投資は、2019年の80億~100億バーツから大幅に減少する形となるが、これは小規模型店舗展開を中心に進めるからであるという。

Big Cが手掛ける店舗は、同社のスーパーマーケットチェーンBig Cの他、ハイパーマーケットであるBig C Supercenter、小規模型店舗であるMini Big Cがある。

国内においてはBig C Supercenter(という名のハイパーマーケット)の展開は5~7店舗に留め、小型のMini Big Cを300~400店舗展開する予定である。2019年時点で、

  • Big C Supercenter:153店舗
  • Big C:63店舗
  • Mini Big C:1,018店舗

あり、売上高は1,400億バーツ(約5,018億円)で2018年から5%増の見込みである。

一方で海外では、今後2年間でカンボジアの首都プノンペンとアンコールワットで有名なシェムリアップに5~6店舗のBig C Supercenterを展開する予定である。

同社はカンボジアだけでなく、ラオス、ミャンマー、ベトナムといった国でのハイパーマーケット展開に注力している。これはカンボジアのポイペトや、ベトナムでの展開に成功しており、今後経済成長が著しいのが理由である。

日本などを見ても分かる通り、大型店舗が流行した後、少しずつ小型店舗が主流になってきている。タイでも同様で、元は大型店舗Big C Supercenterが主流であったが、少しずつ小型店舗Mini Bi g Cが主流になりつつある。それだけ経済が成熟してきている証左である。そして、今度は成熟国のチェーンとして、今後はより後発の発展途上国が大型店舗展開の中心となっていくというフェーズに差し掛かっている。

参考文献:Bangkok Post, “Big C spreading hypermarkets around”, 5 Dec 2019

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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