EUなどの環境対策などから長期的に下落傾向にあり、今年6月28日に最安値をつけたパーム油価格だが、インドへの輸出増加などでここ1ヶ月は上昇傾向にある。(下図)
ここにきて、またパーム油価格を下支えする要因が報じられた。
バイオディーゼルによりインドネシアが他国にパーム油価格の引き上げを請う必要性がなくなる(Antara News)
- 政府は2020年に30%のバイオディーゼルブレンド(B30)義務化の方針
- アイルランガ・ハルタルト産業大臣は、パーム原油(CPO)の国内需要が増えるので、他国に価格引き上げを要請する必要がなくなると発言
- 現在は20%のバイオディーゼルブレンドの利用が義務
- 2018年のパーム油総生産量は4,700万トンで、CPOの需要は年々増えている
- バイオ燃料の一部は、2022年までに50-100%のバイオディーゼル混合物(B50-B100)に増加すると予想
補足
現在のバイオディーゼルブレンドの利用率20%利用義務(B20)は、輸入時の為替コストや環境問題への対応、2015-2016年の供給過剰時の需要下支えなど、多数の効果があった。
2020年に更にその利用率規制を高めようというのが政府の方針であり、豊富な人口と経済成長が大きな需要を生むと考えられ、価格上昇に寄与する可能性がある。
参考文献
Antara News, “Biodiesel to bolster Indonesia to not seek CPO price hike”, 21 Aug 2019